May 11, 2016

あかるいところの本 at ヨウケル舎






6月に東京で展示をします!
大阪での個展「あかるいところ」で展示した作品と
そこから作った新作の私家版絵本を発表予定です。


私家版の絵本を作るのは「きょうは もう ねます」以来、数年ぶりです。
1〜10まで自分でやる!という感じ、久しぶりでワクワクしてます。
絵本と言っても少し変わった形態になるかもしれませんが
インディペントだから出来ることを思いっきり楽しんで作っています。

会場となるヨウケル舎さんはケーキもごはんも珈琲もとっても美味しいお店です。
作品をご覧いただくだけでも大丈夫ですが
是非ぜひ美味しいものと本、一緒に楽しんでいってくださいね。




"あかるいところの本"

6月2日(木)〜6月15日(水)
open  11:30〜20:00 (日曜は〜19:00)
※4日(土)と9日(木)はお休み

ヨウケル舎
東京都世田谷区経堂4-7-8
(千歳船橋駅から徒歩1,2分)
http://yokel-sya.bossk.jp







May 10, 2016

「もうどうやったって勝てないな」


こどもの絵を見ていると、
「もうどうやったって勝てないな」と思います。
きっと絵を描くお母さん、お父さんなら誰もが思うはずです。

また昨日は、次女が天才的な動きの変な踊りを披露して大爆笑。
一発ギャグみたいなことを突然やるのですが
それがもう最高に面白くって。
きっと芸人さんのお母さん、お父さんは
「もうどうやったって勝てないな」と思っているんだろうなと想像します。


私は自分に子どもが生まれるまで周りに小さな子がいなかったので、
ずっと気づいていませんでした。
「この人天才!」と思うような絵描きさんや芸人さんは
子どもに限りなく近いってこと。
普段の生活では「大人らしい」んだと思うんですが
表現する時の脳や感覚が子どものまんまなんだろうなぁ。


次女のギャグは冴えに冴えますが
彼女は大変な内弁慶のシャイガール、
それを見ることが出来るのは私と長女だけ、お父さんですら見られません。
この私だけに与えられる恩恵に感謝しつつ、今晩も女3人で大爆笑するのです。



May 4, 2016

雲が動いてるよ


夜通し強い風が吹いていた。
古いマンションの鉄製の窓枠が、ガタンガタンと大きな音で鳴って何度か起きた。

朝には雨が降ってきて、台風が通り過ぎているようなお天気。
風にさらされてシャワーみたいな雨が、ベランダにも窓にも軒下にも降り注いで、
それなのに空は白く明るかった。

パンケーキを焼いて食べ後片付けをして、
ふと外を見るともう青空だった。
「あれえ!」と私が言うと娘たちも「あー!」と言った。

ゴミ出しに外に出ると何もかも濡れてピカピカ光っていた。
空を見ると雲がすごい勢いで流れていて、思わずしばらく見ていた。
だんだんワクワクしてきた。
すれ違うマンションの住人の方々も、心なしか元気な感じ。

部屋に戻って娘たちに雲の話をしようとすると、
「雲が動いてるよ!」とベランダから次女の声が飛んできた。
「今お母さんも言おうとしたとこ!」と言うと
「私も気づいてたから!」と長女が追いかける。

3人でベランダ側の窓辺に立って
びゅーびゅー風に吹かれながら雲を見た。

「飛んでるみたい」
「世界が動いているみたい」
娘たちはなんだか素敵なことを言う。

「早送りみたい」
と私は詩情も何も無いことを言う。

今日は良い朝。

May 3, 2016

読んだ本「かなわない」植本一子さん


「かなわない」(植本一子)を読みました。
この本はなんとなく新刊情報として知っていたものの
はじめは特に気にしていませんでした。
うそ、
こんなタバブックスウェブサイトの紹介文を読んだ時、
猛烈に気にしつつ、
「これはツライかもなぁ」と無意識の部分で避けた本でした。

ところがあるとき大型書店に行って
別の本を探しに音楽コーナーに居たら
なぜかこの本がそこで平積みされていて(ECD関連ということで?)
そしたら前を素通りできなかった。
吸い込まれるみたいに手に取って、少し立ち読みしてみたらもう最後、
そのままレジに持っていってしまったのでした。



私の予想していた通り、この本を読んでいる間、
私は私の子育てのこと、震災後のこと、夫婦のこと、
いろいろな葛藤、全部を追体験して「やっぱり辛いやん」と。
泣いたり怒ったりイライラしながら少しずつ読んで、
それでも読み切るまでは投げ出せず、
ツライ映画を見ている時にもう画面を見たくないのに、
最後まで見ないと気が済まないような感覚。
そんな風にして読んでいたら、
後半、口があんぐり開いてしまうような「大発見」を私にもたらしてくれて、
更に読了後は(あんなにイライラしたのに)
植本一子さんという方がとても好きになっていた。
時に波乱はあれど、ほとんどが普通の日常。それなのに
なぜか掴まれて離れられなかった。
摩訶不思議である、ほんと。
かっこつけないこと、正直であること。



この本を読了した翌日、
私が何かの節目を感じるときに、様々なことを相談してきた方にお会いして話を聞いてもらった。
そうしたら自分に一番足りなかったことを教えてもらえた。
なーんだ、そんなことだったのか!と、目から鱗。
最近は大発見の連続で、どんどん玉ねぎの皮が剥かれて
そのうち無になってしまいそうな気分です。